「群衆心理」や「生への執着」を描き続ける作家 Yuma Yoshimura が“新作展”及び“アーカイブ展”を同時開催
群集心理の寂しさ、自己顕示欲、その傍観者、それらの身近な関係性、ミクロな関係性から例えるマクロな社会システム、その矛盾。それら「生きる事への執着」という概念と向き合い続け、実験的なテクスチャーを用い様々な手法で描き続けるYuma Yoshimuraが、池ノ上にあるギャラリー「QUIET NOISE」にて新作展『まぎれこんでしまえば-magirekonde-shimaeba』を、銀座にある「Basement GINZA」にてアーカイブ展『逆走-gyakusou』を開催する。
いままでに南アフリカやバルセロナ、メルボルンなど様々な国でも展示を行ってきたYuma Yoshimura。2017年には「Calm&Punk Gallery」にて『beyond the shapes』展も行っているから記憶に新しい人もいるのではないだろうか。そのYuma Yoshimuraが、2009-2013年のアーカイブと2015-2017年の未発表作品を展示する『逆走-gyakusou』展に先立って、新作展『まぎれこんでしまえば-magirekonde-shimaeba』を開催するにあたり、下記の言葉を提示している。「逆走」というテーマで過去を振り返りながら、新たなテーマを掲げ繋いでいくストーリーを、ぜひご覧頂きたい。
『まぎれこんでしまえば-magirekonde-shimaeba』
-そこは秩序と無秩序が混同した世界だった-
今回発表する新作「まぎれこんでしまえば」は、日頃追求している“群集”をテーマにしたシリーズである。不透明な世の中を、本能的あるいは無意識的に生き延びようとする私達の心象風景を映し出すため、「生への執着」という制作上の概念の中の、組織・集団心理・連帯などに焦点を当てた。そして主なモチーフをヒツジとし、人間と重ね合わせる事にした。
ヒツジには成長しながら集団を形成し、先導される方向に従う習性があり、生まれ持った本能そのままを垣間見ることができる。同様に私達も、幼少期から細分化された何らかの組織に属し、思考を繰り返しながらではあるが、道標をたどって生きている。
しかしいずれの社会も、些細な事で関係性が壊れると、感情が混乱し、曖昧さや違和感、不安感を覚える。そんな行き場のない感覚が自分本位の連帯感を求め、他者を無意識に疎外し、また誰かに疎外される。それらを繰り返し、関係性はより複雑になり“無秩序”が生み出される。
しかしながら他者との関わりの中、“あなた・私・誰か”というそれぞれの立場を義務付けられているがゆえ、“秩序”が保たれてもいるのだ。
私達はそんな“秩序と無秩序”が混同した世の中に、紛れては生きている。そして、絶え間なく変化する歪な状況を、揺らいでも、染まっても、渡り歩かなければならない生きものである。
-Yuma Yoshimura
Yuma Yoshimura Solo Exhibition
『まぎれこんでしまえば-magirekonde-shimaeba』
展覧会会期:2018.03.10(sat) – 2018.04.01(sun) 11:00-20:00
※土日祝のみ営業(平日アポイント制)
オープニングレセプション:2018.03.09(fri) 18:00-20:00
会場:QUIET NOISE arts and break
住所:東京都世田谷区代沢2-45-2 1F
『逆走-gyakusou』
展覧会会期:2018.03.17(sat) – 2018.04.01(sun) 12:00-19:00
※期間中月曜定休
会場:Basement GINZA
住所:東京都中央区銀座4-3-5 Ploom Shop 銀座店B1F