MADSAKIの個展が、村上隆率いるカイカイキキの「Hidari Zingaro」にて開催
村上隆がプロデュースする芸術の祭典として始まった「GEISAI」は、20回を区切りに中野ブロードウェイ内「Hidari Zingaro」に場所を移し、世界中からグラフィティ&ストリートアーティストやジャンルの垣根を超えるアーティストの展示を行うシリーズとして「GEISAI∞infinity」プロジェクトを行ってきた。そして今回、その第9弾としてMADSAKI個展「HICKORY DICKORY DOCK」が開催される。
独自の視点で社会を観察し、他に類を見ないスタイルでそのエッセンスを作品に反映するMADSAKI。これまでも文字シリーズや模倣シリーズなどの中に幾重にも仕掛けられた独自の世界観によって我々を驚かせてくれるMADSAKI。注目の新作が繰り広げる作品空間をぜひこの機会に堪能してほしい。
下記は、プレスリリースに記載された村上隆氏からのメッセージ。
MADSAKIさんは、NYのカイカイキキスタッフのレイちゃんのインスタグラム(@forget_a_boutit)をフォローしていたら飛び込んできたイメージで、マチスやピカソとかを模倣しているヘタッピなブラシのペイントが目につき、それが欲しいと書き込んだところ本人から返事が来て、加えてレイちゃんからも「これ私の知り合いなんですよ。」と言ってきて近しくなって、作品を購入さ せてもらいました。マチスの作品はその後、横浜美術館で行った、村上隆のスーパーフラット・コ レクション展に展示させてもらいましたけれど、その存在感が非常に着目され、随分多くの人に 、「これどうしたの?」と聞かれ、話題をかっさらいました。本人は非常に賑やかで、ちょっと見ると気が狂った様なおっさんですが、色々話を聞いていくと、帰国子女で、幼少期にニュージャージー州で日本人としていじめられて、投石されていたという過去を持つと言います。もしかしたらかなり盛っていて、嘘かもしれませんけれど、しかし今の作風における方向性はアメリカと日本の歪んだ構造を自分の中に取り入れている様な作風、テー マが多いです。そもそもBarnstormersというグループで4年間ほど活動していたということですが、(Barnstormersというのは、David Ellisさんという方が中心となり、メンバーの誰かが描くと、その上に白く塗ってまた次の人が描くという非常に自爆的なグループであったんですが、)現在は日本に戻ってきて個人活動をしています。9月に僕がパリで行う個展で提出する作品でも、彼とコラボレーションを行ったりして、今、僕の中では非常に熱い存在のアーティストです。身近なキャラクターやら、有名なアート作品、バカバカしいメッセージから、安倍総理の肖像画まで、政治的、社会的問題意識とそれをブッ飛ばすような形でのブラシペイントで、見る人の気持ちがスカッとすること間違いありません。
村上隆