今回描くのは自身の妻。アーティストMADSAKIの個展「HERE TODAY, GONE TOMORROW」が開催
近年は挑発的な言葉を用いた作品や、歴史上の名画を引用した作品などを制作し、芸術の意味や作品の価値についてアイロニカルな視点で問いを投げかてきたMADSAKIが今回の個展で展開するのは、自身の妻を題材にした、プライベートな自己言及的アプローチを試みた新シリーズ。自身がこれまで模倣してきた過去の巨匠達に自分自身を置き換えた様な倒錯的な作風には、NYのストリートカルチャーやメッセンジャー体験等をバックボーンに持ち、日本とアメリカの両方に跨った複雑なアイデンティティを抱えた作家の想いが込められているとのこと。
また、MADSAKIはその個展「HERE TODAY, GONE TOMORROW」の開催に寄せて以下のような言葉を残している。
僕は今までこの世を儚んで、むしゃくしゃする気持ちをスラングに転化してその言葉を絵にしてきた。 もしくは、過去の名画や有名人を、缶スプレーで描くことで、 自分の通ってきた美の価値にツバを吐きつけて、 やっと自分が今生きてることを確認してきた。
今回の新作の絵は、嫁さんの絵を中心に描いている。 何枚目かの嫁を描いている時、スタジオで涙が止まらなく なった。
無常。
今感じている愛や強い絆を永遠と思いたい。 でも、永遠、なんて絶対無くて いつの日かガラガラと崩れてしまう。
きっと大地震が来たりして きっと戦争が起こったりして きっと、僕らがお互い心変わりしたりして
崩れていってしまうんだ。
FUCK OFF!
嫁の絵を描いていて、涙が出てきたけれども、 ノズルを取り替えてぶわ〜っと色を噴きつける。
クソな自分を罵倒して、唾棄して とにかく色を噴き付けろ。 とにかく色を噴き付けて、 そうすることしか出来ないんだぜ僕は。
MADSAKI
個展の詳細は以下よりチェック。